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若いコレクターがブログや動画で ロレックスの魅力を発信する理由

ロレックスには実にさまざまな魅力があり、多くの愛好家を惹きつけてやまない。そんなロレックスに魅せられた愛好家のハマり方もまた、さまざまだ。今回は、ロレックスの持つ歴史やストーリーの濃さに魅せられ、ロレックスにどっぷりとハマり、そしてその熱い思いをブログやYoutubeを通じて発信しているコレクターに、その情熱の源泉を聞いた。

 

取材協力:RY@腕時計のある人生さん(https://cutt.ly/OyGfhPh)

文:マピ

写真提供:RY@腕時計のある人生さん

 

 

ーー早速ですが、ロレックスとの出会いについて教えてください。

 

社会人3年目になったとき、自分へのご褒美として腕時計を購入しようかと考えていたんです。でも正直、ロレックスはもっと年上の人が着けているイメージが強くて、初めはロレックスではないブランドの腕時計にしようかと考えていました。

そんな時、職場の尊敬しているオーストラリア人の方に相談してみたんです。彼は、持っている小物から車、家に至るまですごくセンスがよく、仕事ぶりも素晴らしい方で、きっといいアドバイスをくれるんじゃないかと思いました。

腕時計の購入を検討している旨を伝えると、

「男なら絶対にロレックスのサブマリーナ ノンデイトにするべきだ。世界中の男が憧れる、定番中の定番とも言える1本だから、購入して後悔することはないよ」

と言われました。

この言葉で、ロレックスへのイメージが180度変わりましたね。公式サイトを見てみると、確かにかっこいいと感じました。そこから一気に魅力に取り憑かれていき、絶対にサブマリーナを購入しようと決意しました。

 

ーーサブマリーナを買いに行ったときはいかがでしたか。

 

一番最初に正規店に行った時は、本当に緊張しましたね。あまりに緊張して、間違えてレディースコーナーへ行ってしまったくらいです(笑)

意を決して、店員さんにサブマリーナはありますか、と尋ねたのですが、ありませんと返されてしまいました。この時に知ったんです。サブマリーナは大人気モデルで、正規店では簡単には手に入らないものであるということを(笑)

 

ーー実際にサブマリーナを入手できたのはいつだったのですか。

 

2016年10月、そのころには仕事のフライト前にサブマリーナを探して免税店に足を運ぶのがすっかりルーティンになっていたのですが、そのときもいつもの通り、羽田空港の免税店に向かいました。この時、出発まであと1時間を切っていたんです。

免税店の店員さんに「サブマリーナってないですよね?」と尋ねると、「実は3日前に入荷していまして……ご覧になりますか?」と驚きの返事が。

さっそく見せてもらったところ、探していたノンデイトでした。

ところが、あんなに熱望していたサブマリーナだったのに、いざ手に入れることができる、となった途端、本当に購入すべきなのだろうかと迷いが生まれてしまったんです。

しかし、自分のような若者に対しての店員さんの素晴らしい接客に加え、迫り来るフライト時間……。

ええい、買うぞ!と腹を決めて購入しました。そしてダッシュでフライトに向かいました(笑)

 

ーー素晴らしい接客と差し迫る時間があっての決断だったのですね。

 

そうですね、そのどちらが欠けていても購入には至らなかったと思います。今思えば、本当に手に入れることができてよかったです。この1本が、腕時計という、新たな、そしてとても夢中になれる趣味に出会わせてくれました。

 

秋模様に映えるサブマリーナ(Ref.114060)

 

ーーRYさんが思うロレックスのよさを教えてください。

 

ロレックスの魅力はやはり1本1本のモデルに歴史やストーリーがあり、そしてそれが濃いところですね。

例えばサブマリーナだと、ダイバーズウォッチという新たなジャンルを創出したモデルです。それまではスーツにドレスウォッチを合わせるのが決まり型だったのですが、ジェームズ・ボンドが映画『007』シリーズにおいて、スーツ姿でサブマリーナを着用して登場し世間に衝撃を与えました。現在でも、スーツにダイバーズウォッチはありかなしか、といった論争がしばしば起こっていて、サブマリーナが与えた影響の大きさがうかがえます。

また、ロレックスの時計は創業当時から非常に頑丈で、世界初の本格防水腕時計もロレックスでした。防水ということは、もちろん埃や振動にも強いですよね。その頑丈さが、エベレストの山頂、ドーバー海峡などの非常にタフな環境においても活躍できる理由です。そしてそのような頑丈さがあるからこそ、他のブランドの腕時計では進出できないところまでユーザーとともに行くことができ、大変濃密なストーリーを生み出したのだと思います。

 

ーーロレックスのストーリー性の高さは頑丈さにも理由があるのですか。とても興味深いですね。ロレックス以外にも他のブランドの時計もお持ちだそうですが、どのように使い分けているのですか?

 

年の半分は仕事で海外にいるんですが、残りの半分、日本にいる時は基本オフなんです。その時にロレックスを使用しています。カジュアルな私服姿の時、自然と手が伸びるのはやはりサブマリーナですね。つけ心地、機能性、耐久性が群を抜いて優れているので、どこにでも連れて行きたくなります。

 

様々な場所へ共に向かう相棒

 

ーーRYさんは大変充実した時計ブログを運営されていますが、ブログを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

 

2つ理由があります。

1つ目は、時計好きの人が周りにいなかったことです。

自分が時計にどんどんのめり込むにつれて、その良さを誰かと語り合ったり、話して広めたりしたいと思うようになったんですが、その相手がいなかったんです。興味のない友人にひたすら話を聞いてもらうのも心苦しいですし。

そこで、インターネットを通じて発信すればいいんだという結論に至ったんです。

 

ーーなるほど。もうひとつの理由は何ですか?

 

2つ目としては、海外のコレクターの価値観を日本にも広めたいと思ったことです。

自分が時計好きになったとっかかりが海外の方の助言だったこともあり、その後も私の主な時計関連の情報収集源は海外でした。そうしているうちに、日本のコレクターと海外のコレクターの違いを感じるようになったんです。

日本は、ロレックスの時計本体そのものに主眼を置いているコレクターが多いと思うのですが、海外では時計の歴史や伝統に重きを置いて、バックグラウンドを大切にしている人が多い印象なんです。

この価値観を日本の方にも伝えたいなという気持ちがありました。

ブログやプログラミングについては何の知識もなかったのですが、これらの思いを原動力に手探りで始めました。

 

ーーブログを開設して他のコレクターさんとの交流は生まれましたか?

 

ブログでは、交流というか、ブログ読者の要望を聞いてその条件に合う時計を探す「腕時計コンサルタント」のようなことをしています。

手に入れた知識を他の人たちと共有して、時計を愛そうと第一歩を踏み出した人たちの背中を押してあげられればと思っているんです。自分自身も一本目を何にするか決める際には、アドバイスが大きな力を与えてくれましたしね。好きなことなので、いくら考えても苦痛にならず、むしろ楽しいです(笑)

 

ーー本当に時計がお好きなんですね(笑)

 

はい、そうですね。時計のことが大好きすぎて、寝ている時以外いつも考えています。

YouTubeを始めてからは、それに拍車がかかって、次はどんな動画を撮ろうかなとか、編集スタイルをどうしようかなとか、いつも頭がいっぱいです。

 

ーーYouTubeはどういったきっかけで始められたんですか?

 

ブログを開設した時から、ゆくゆくはYouTubeを始めようと思っていたんです。どんどんメジャーになっていることを感じていたので。それに、文字や写真だけじゃなくて映像と連動した方が伝わりやすいですしね。ずっとタイミングを伺っていました。

実際に配信し始めた直接的なきっかけは、今回のコロナ騒動で家にいる時間が長くなったことですね。YouTubeを見る人が増えるだろうと思いスタートすることにしました。

それから、実はYouTubeやブログを始めたもう一つの動機があるんです。40歳、50歳になるときに購入したい時計をもう決めてあるんですが、このままの成長スピードでは、収入面でも人間性でもその時計に見合う自分になれないと感じていて。

そこで、ブログやYouTubeが副収入や成長のツールとなればいいなという気持ちがあったんです。

 

ーーRYさんにとって、腕時計とはどのようなものですか?

 

そうですね、これはブログのタイトルにも表れているんですが、腕時計は持ち主の人生に寄り添い続け、最後にはそれを受け継いで新たな世代へと伝えていくことのできる、唯一無二のデバイスだと思います。

腕時計の持つ、時間を受け継いでいくことのできる力、いわば永続性が素晴らしいと思います。形見として、自分の生きた歴史や刻んだ時間を引き継ぐことのできる特別なものですね。これに代わるものはないでしょう。これからもずっと、魅了され続けるのだろうなと思います。

 

周りに同好の士がいなかったのがブログを始めた理由のひとつと語るRYさん。今回のインタビューでも、ロレックスへの情熱の高さがひしひしと伝わってきた。この熱量で発信されるブログやYouTubeならば、志を同じくする時計好きの輪を確実に広げているだろう。