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信頼とともに勝ち得たデイトナ

デイトナを正規店で購入することは非常に難しい。それゆえに、このお宝を求めて、長い間「デイトナマラソン」を行っている愛好家は少なくない。しかし、ただやみくもに多くの店舗を回るよりも、あえて店舗を絞る方法もある。今回は、実際にその方法でデイトナを複数本手に入れたコレクターに話を聞いた。

 

取材協力: 瀬名和志さん(https://twitter.com/senakazushi)

文:koni

写真提供: 瀬名和志さん

 

――ロレックスを購入したきっかけを教えてください。

友人が身に着けていたGMTマスターがきっかけで、ロレックスに興味を待ちました。
一目でロレックスとわかる、特徴的で優れたデザインに惹かれました。
ちょうど30歳になるところだったので、節目にと青サブ(Ref.116613LB)を購入しました。高級品なので最初は躊躇しましたが、一個買ったら自分でも買えるものなんだなと感じて、ロレックスを身近に感じるようになりました。

 

ファーストロレックスの青サブ(Ref.116613LB)

 

――そうなんですね!なぜ最初の1本に青サブを選ばれたんですか?

やっぱりロレックスといえばスポーツタイプなので、スポーツタイプのものから選ぼうと思いました。
また、100万円を超える高価なものなので、華やかで目立つ、存在感があるものが欲しいという気持ちもありました。みんなに気づいてほしいですしね(笑)
そこで、金が入っているコンビモデルの青サブを選びました。
実際に身に着けてみると着け心地がよく、ラフに使えるので使い勝手もよくて、さらにロレックスが好きになりました。

 

――実際に購入したことでさらなる魅力に気づいて、ロレックス沼が始まったんですね

そうですね(笑)
青サブを購入した半年後には、先代のデイトナ(Ref.116520)の黒文字盤を購入しました。
実は、青サブを購入する前は、デイトナには特に魅力を感じていませんでした。
ところが、青サブの購入をきっかけにロレックスに関する雑誌や記事を見るようになるようになると、王道なクロノグラフがどんどんかっこよく見えてきたんです。それで、思い切って並行店で購入しました。
インダイヤルが3つで、日付がないシンプルなデザインなのですが、着けていて楽ですし、周りからも声をかけられるようになりました。
この先代デイトナ以降は、落ち着いたモデルを買うようになりました。

 

――その次には何を購入したんですか?

そのあとは男の道具感が渋い5桁モデル世代のエクスプローラー(Ref.114270)、さらにそこから5桁モデルのサブ(Ref.16610)を並行店で、そしてたまたま出会えた赤シード(Ref.126600)を初めて正規店で購入しました。
赤シードはもともと狙ってたんですけど、その時はスポーツロレックスがブームだったので、手に入るとは思っていませんでした。
デイトナを求めてお店に行ったんですけど、なんとなくシードゥエラーありますか?って聞いたら、出してもらえたのです。コネがなくても買えるんだなとわかって嬉しかったですね。これをきっかけに、デイトナマラソンをしようと思いました。

 

――デイトナマラソンはどのように走り始めましたか?

大体週1で地方から東京に行って、赤シードを購入したお店に通っていました。
その中で店員さんと信頼関係が築くことができ、入荷したという連絡をわざわざいただいて、半年で男らしくて無骨な、黒文字盤(Ref.116500LN)を購入できました。
初めての正規店でのデイトナ購入だったので、本当にうれしかったです。自慢しまくりました(笑)
一番思い入れのあるものですし、形も気に入っていてラフに着けられるので、これを最も頻繁に着けています。どんな場面、服装にも合うので重宝してますね。

 

――店員さんとそんなに親密になれるなんてすごいですね!

その後、白黒そろえたかったので白文字盤(Ref.11650LN)、そして大好きな木村拓哉さんが着用していたプラチナのアイスブルー(Ref.116506)も連絡してもらって購入しました。
プラチナのデイトナは1番高価なこともあって、1番の勝負時計になりました。
アイスブルーは重みがあるので、その分気合が入ります。
黒文字盤を購入する以前は白文字盤のほうが欲しかったのですが、いざ手に入れてみたら黒文字盤のほうが男らしくて、いまはそちらのほうが好きですね。

 

オセロのデイトナ(Ref.116500LN)

 

――デイトナを3本も手に入れられたんですね! なにか店員さんと信頼関係を築く際のコツはあるんですか?

特にないんですよ。自分もなんでそんなに信頼してもらえたのかわかりません(笑)
購入履歴のある店舗に通うこと、自分にあったお店、店員さんを見つけ、たとえばカタログをもらう際にもその店員さんを指名してもらったりするなどして信頼関係を築くことが、確実に欲しいものを手に入れる近道なのではないでしょうか。
自分の純粋な欲求からロレックスが欲しいんだという真摯な気持ちを伝えることが大事なので、個人的には世間話などはしないほうがいいのではないかなと思います。
ただし、1店舗に絞るとどうしても入荷のスパンが長くなるので、早めに手入れたい場合はじれったく感じてしまうかもしれませんね。

 

――とても勉強になりました。今後も他にほしいモデルはあるのですか?
今は特にないですね。とりあえず今持っているものを今まで通り、家でつけて気持ちを上げたり、1つ1つの思い出に浸ってみたりして楽しんでいきたいです。
以前他のブランドのものを購入したことで、やっぱりデイトナのスポーツタイプが好きだと実感したので、一生ロレックスは好きだと思います。
ただ、時計ケースにあと2つ入るので、将来的にはあと2つはほしいと考えています。

またほいものが出てきたら、店員さんに伝えて連絡を待ちたいと思います(笑)

 

勝負の1本のアイスブルー(Ref.116506)

 

デイトナを手に入れようとする際に、やみくもに多店舗を回り続けるのではなく、特定の店舗の特定の店員と強固な信頼関係を結ぶことが有効というのはよく言われることではあるが、実際にそこまでの信頼関係を築くことは容易ではない。しかし、実際にそのようにして複数のデイトナを手に入れているコレクターがいるという事実は、これからデイトナを手に入れようという人には大いに参考になるのではないだろうか。