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ファッションのプロは、一本一本の個性に惚れる

 

ロレックスといえば、機能性や資産価値、ステータス性に目が行きがちではあるが、ファッション性の面でも高く評価されているのを忘れてはならない。今回のコレクターは、アパレル業に従事した経験のある、ファッションのプロフェッショナルだ。高いセンスの要求されるファッションのプロは、どんな観点からロレックスに興味を持ったのか。インタビューを通して、ファッション面から見たロレックスの魅力に迫りたい。。

 

――最初に、時計に興味を持ち始めたきっかけを教えていただけますか?

 もともとアパレルの仕事をしていまして、特にアメリカンカジュアル、いわゆるアメカジと呼ばれるスタイルに興味を持っていました。あるとき、仕事の関係でロサンゼルスのローズボールというフリーマーケットに行く機会があったんです。本当に色々な出品物があって、目移りしながら見て回っている中で、アメリカンウォッチに目が留まりました。アメリカンウォッチのアール・デコ調の造形美に胸を打たれたんです。それがきっかけでアメリカンウォッチにハマり始めました。もちろん、アメカジファッションと相性がいいというのもアメリカンウォッチを好きになった大きな理由の一つです。

 

――なるほど。では、そんなアメリカンウォッチからロレックスに興味が広がっていったのはどういう経緯があったのでしょうか?

 私はもともと古いものが好きなので、時計に興味を持ってから、色々と古い時計について調べていました。その中で、アンティークウォッチ専門店「CARESE」の会長である川瀬友和氏が、三大名機について語っている記事を目にしたんです。ロレックス Cal.1570、IWC Cal.8541、それからオメガ Cal.561ですね。その中でも、特にCal.1570に惹かれて、オイスターパーペチュアル(Ref.1500)を入手しました。そこからロレックスにどんどんハマっていきました。

画像:インタビュー者ご提供。オイスターパーペチュアル Ref.1500

 

――ムーブメントから興味を持たれたんですね。オイスターパーペチュアル(Ref.1500)のどこに惹かれましたか?

 まずはデザインに惹かれました。シンプルながら王道をいく、洗練されたデザインですよね。そのときの自分にとって、ロレックスの入門機としてぴったりのモデルだなと感じました。

 それからやっぱり、音をどうしても聞いちゃいましたね(笑)。オイスターパーペチュアルが奏でるロービートの落ち着いた音は、とても心が落ち着くというか、私にとって心地良いい音なんです。その点も惹かれました。今でもやはりロービートが好きで、ときどき聞き入っちゃいますね。

 

――そのあたりのセンスが、さすがファッションのプロという印象です。ところで、時計をコレクションする上でのこだわりはありますか?

 コレクション全体で統一しているテーマとしては、やはりアンティークっぽいというところにはこだわっています。エイジングして変色している時計も4つほど所有しています。

 あと、昔から人とかぶるのが好きではないということもあって、なるべく珍しいものを集めたいと思っています。元々時計を集め始めたのが20代前半の頃で、アメリカンウォッチから入ったので、当初はハミルトンやブローバ、グリュエンといったあたりがメインだったんですが、あまりに知られていないブランドだと、もうそれは完全に自己満足になってしまうんですよね。その点、ロレックスはしっかりとした知名度とブランド力があるところがいいですね。

 

――たしかに。その点ではロレックスに並ぶものはなかなかありませんね。ロレックスで今お持ちのモデルを教えていただけますか?

 エクスプローラーⅠ(Ref.1016)は2本持っていて、そのうちの1本はつい最近買ったばかりです。今はこれが特にお気に入りです。アラビア数字の配列や、サイズ感、それらが醸し出す雰囲気が素晴らしいです。自分のスタイリングにもマッチしている感じがします。

 あとは、GMTマスターⅠ(Ref.16750)、エクスプローラーⅡ(Ref.16550)、デイトナ(Ref.16520)を2本持っています。

画像:インタビュー者ご提供。エクスプローラーⅠ Ref.1016
画像:インタビュー者ご提供。GMTマスターⅠ Ref.16750
画像:インタビュー者ご提供。エクスプローラーⅡ Ref.16550
画像:インタビュー者ご提供。デイトナ Ref.16520

 

――エクスプローラー(Ref.1016)がご自身のスタイリングに合っているというお話がありましたが、コレクションの使い分けはどのようにされていますか?

 その日のファッションに合わせて着けるモデルを変えています。朝、その日に着る服を決めた後に、どの時計をつけようかなと考える時間がすごく好きですね。

 

――まさにファッションとしてロレックスを楽しまれているんですね。時計を着けたり見たりしているときで、特にテンションが上がるタイミングなどはありますか?

 さきほども言ったように、私がが集めているのはヴィンテージものが多いのですが、そういったものは経年変化を起こしているんですね。その色褪せ具合が、太陽の下だと、部屋で見るのとは比べ物にならないくらい魅力的なんです。そういう意味で、着けた腕時計を外で見ているときが一番テンションが上がりますね(笑)。

 あとは時計を通じてSNSで知り合った人とコミュニケーションすることが多いのですが、それも楽しいですね。海外の方から譲ってほしいというDMが届いたりすることもあって、そういうときは自分のコレクションへの自信を改めて感じます(笑)。実際にお譲りしたこともあります。

 

――それはいいですね! 時計を通じたファン同士の国際交流が、実際に行われているんですね。ところで、ご家族は時計に興味を持たれていますか?

 いえ、妻はロレックスに全く興味が無いですね(笑)。ただ、結婚10周年の時には、私の好みでチュードルサブマリーナをプレゼントしました。妻も「青い時計は自分ではなかなか選ばないので可愛い」と言ってくれました。

画像:インタビュー者ご提供。

 

――素敵ですね。チュードルサブマリーナを気に入っていただいたのであれば、お高めのロレックスも買いやすくなったのではないですか?

 妻には、ロレックスを購入する際には、「うちの資産だから」と言って説得しています(笑)。妻がそれに納得してくれているのかどうかはわかりませんが、良い意味で放任してくれていますね。ただ、資産価値という面で考えると、コレクションがロレックスばかりになってしまう面は否めないですね。結婚後は特に、ロレックスの占める割合が高くなってきました。

画像:インタビュー者ご提供。

 

――なるほど。他のブランドと比べたときに、ロレックスならではの魅力はどこですか?

 やはりロレックスには他のブランドにはない特別さを感じます。特に、同じモデルなのに、細かい違いがあるというところが魅力的だと感じています。たとえば、同じモデルでも型によって文字がセンタースプリットになっているというような、微妙な違いがとても多いですよね。こういった細かな違いの多さが、自分の持っている一本に対して、「唯一無二の一本だ」という感覚を与えてくれていると思うんです。一本一本の個体に珍しさや特別感がある、他にない魅力的なブランドだなと思っています。

 

自らのファッションに似合う、選びに選び抜いたヴィンテージ・コレクション。確かな知識と経験、そしてブレない軸を元に、独自の観点から一本一本が個性的なロレックスをファッションとして楽しむ愛好家の姿があった。ちいさな違いにこだわり、本当に自分に合った一本を探求してみるのも、面白いかもしれない。