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デイトナとの奇跡的な出会いこそ、 これ以上ない自分へのご褒美

何かをやり遂げたり、目標を達成した時に、自分へのご褒美として高級腕時計を買うという人は多い。今回話を聞いたコレクターも、困難なプロジェクトを完遂したご褒美として、デイトナを探し始めたのだという。当時から入手困難な時計であったデイトナだが、どのように見つけたのか、その出会いのエピソードを聞いた。

 

取材協力:ティー坊さん

文:モカ

画像提供:ティー坊さん

 

ーー15年ほど前に初めてロレックスを買われたということですが、きっかけはなんだったのでしょうか?

 

当時、社会人になって4、5年目くらいだったのですが、社会人としてそれなりに経験を積んだので、時計を買おうとふと思い立ちました。

 

ーーロレックス以外の時計も検討されていたのですか?

 

いいえ。

それまで時計を全然持っていなかったので、1本くらい高い時計を持っていたほうがいいと思ったのですが、そのころは全然知識がなくて、高い時計といえばロレックスしか思いつきませんでした。

 

ーーロレックスの購入を決めてから、モデル選びなどはどのようにされたのですか?

 

予算だけ決めて銀座のロレックスのお店に行きました。

欲しいモデルがあったわけではなかったので、ショーケースにある商品の中から予算の範囲内で仕事でも使えるものを選びました。

その時に買ったのがデイトジャスト(Ref.16220)です。

 

ーーなるほど。今1番お気に入りのモデルはなんでしょうか?

 

デイトナ(Ref.116520)です。

 

ーーデイトナは何かきっかけがあって購入されたのですか?

 

私はシステムエンジニアとして働いているのですが、10年くらい前に転職をしたんです。ところが転職して初めてのプロジェクトが大変な仕事だったので、その仕事をやり切ったときに、ご褒美として購入しました(笑)

 

1番お気に入りのモデルであるデイトナ(Ref.116520)

黒文字盤でシンプルなデザインがお気に入りだそう

 

ーーデイトナは入手困難なモデルですが、そのときはすぐに購入できたのですか?

今と同じようにデイトナは人気でなかなか買えない状況だったので、買えたらいいなという気持ちでお店を探しました。

初めてロレックスを買った銀座のお店にはやはり売っていなくて、銀座にある別のお店に行きました。

そしたらなんと、そのお店でデイトナを購入することができたのです!

何店舗も回るつもりだったので、びっくりしました(笑)

 

ーーそれはすごいですね! ショーケースに置いてあったのですか?

 

お店に入ってショーケースを見ていたら、店員さんに「何かお探しのものはありますか?」と聞かれました。デイトナが欲しいと言ったら店員さんが裏から持ってきてくださったのです。

当時は月に1、2本入荷しているかどうかくらいの流通量だったので、本当にラッキーだったというか、運命的だったなと感じています。

 

ーーその出会いこそまさに、ご褒美ですね。その後は他のモデルも購入されましたか?

 

デイトナを購入できたことがきっかけでロレックスにハマってしまいまして、その2、3ヶ月後にエクスプローラーⅡ(Ref.16570)、またその数ヶ月後にサブマリーナ(116610LN)を購入しました。

 

ーー1年間の間に3本も購入されたのですね! ロレックスを選ぶ上でのこだわりはありますか?

 

普段はスーツを着て仕事をしているので、スーツに合うシンプルさを重視して選んでいます。

また、せっかく買った時計は観賞用ではなく身につけて楽しみたいと思っているので、あまり買いすぎないようにも気をつけています。

 

ーーそれらの4本の中から、その日の気分に合わせて時計を選んでいるのですか?

 

実は4年ほど前にデイトナ(Ref.116520)以外のモデルは手放してしまったんです。マンションを買おうと思った時に、頭金としてまとまったお金が必要だったので、3本は売ってしまいました。

 

ーーそうだったんですね。デイトナだけ手元に残したのには何か理由がありますか?

 

奇跡的に出会えたものなので、もちろん思い入れがありました。また持っていた4本の中でもデザインが一番好きで、デイトナを身につけてる日が多かったのでデイトナを残すことに決めました。

 

ーー今でもデイトナはよくつけられますか?

 

実は1週間前にエクスプローラーⅠ(Ref.214270)を購入したので、今はデイトナとエクスプローラーⅠの2本の中からその日の気分によって使い分けています。

 

ーー1週間前とはタイムリーですね!

 

実は、エクスプローラーⅠは何年か前に欲しくなり、何度か銀座のお店に探しに行ったのですがなかなか見つからず、そのときは諦めてしまいました。

しかし今年の2月ごろにまたふと欲しくなり、お店に探しに行くようになりました。コロナの影響もあったので買えるまで数ヶ月かかってしまいましたが、最近やっと手に入れることができました。

 

ーーこちらはデイトナとは違って、苦労して手に入れた一本なんですね。

 

そうですね(笑)

だからこそ、10年前のデイトナとの出会いの凄さがより実感できました。

 

1週間前に買ったばかりのエクスプローラーⅠ(Ref.214270)

現在愛用しているデイトナ(Ref.116520)とエクスプローラーⅠ(Ref.214270)

 

入手困難なデイトナをわずか2店舗目で購入できたというのは、まさに奇跡的だというほかない。苦労して手に入れたときも思い入れが深くなるものだが、逆にすんなり手に入れてしまった場合でも、運命的なものを感じて、思い入れが出てくるのだろう。その出会いがどんなものであっても、出会いそのものが価値を生み、思い入れとなっているのは、他のブランドではなかなかあることではない。まさに「ストーリーとともにある時計」であるロレックスらしいエピソードではないだろうか。