ロレックスファンは多いが、その価格帯もあって年齢層はやや高めになっているのが実情だ。Watch Loverでもこれまで何人かの若いコレクターにインタビューを行い、それぞれのロレックス観について話を聞いた。今回もまた、20代後半という若い年齢のコレクターの一人に、自身にとってのロレックスの魅力やロレックスへのこだわりを聞いた。
取材協力:Cyumuさん(https://instagram.com/tf_wpypr)
文:さくら 画像提供:Cyumuさん |
――初の一本についてのエピソードを教えてください。
私は学生の頃から腕時計に興味を持っており、初めて機械式腕時計を購入したのは21歳の時でした。その5年後、ミルガウスZのブルー(Ref.116400GV)に一目惚れし、3ヶ月毎週正規店に通ってやっと購入したのがロレックスの一本目です。所有してみて、どんどんロレックスの魅力にハマっていきました。
最初の一本、ミルガウスZブルー(Ref.116400GV)
――ミルガウスZブルーのどのような点に魅力を感じたのでしょうか。
一目惚れした理由としては、他のロレックスよりも重厚でシンプルなデザインであることが主ですね。デイトナといった定番のモデルとは少し異なるデザインテイストが気に入っています。
私はロレックスらしいデザイン、というよりは、自分の個性を表現してくれるデザインであるということを大事にしたいと思っているんです。所有している他のロレックスも、同じような基準で選びました。
――どのようなモデルをお持ちなんですか?
ミルガウスZの他は、ターノグラフとヨットマスターです。
ターノグラフの外見はデイトジャストと似ていますが、秒針が赤く、回転ベゼルであるという点がユニークです。また、スポーティーなデザインで使いやすいという点も気に入っています。
ヨットマスターも秒針が青く、ロレックスのなかで唯一プラチナのベゼルを使用しているという特徴があります。
どちらも個性的なデザインが魅力的で、そこに惹かれて選びました。
左からヨットマスター(Ref.126622)、ミルガウス(Ref.116400GV)、ターノグラフ(Ref.116264)
――本当に自分好みのデザイン重視で選ばれているのですね。
はい。私にとってロレックスは、誰かに憧れたり、ビジネスの場で携えるモノというよりは、100%趣味のモノです。主にプライベートで、個性を表現するファッションとしての世界観を楽しんでいます。
時計には、ただ「時間を見る」という目的にとどまらない要素があると思っています。
――最近は様々な機能が付いたスマートウォッチなども普及しつつありますが、特にCyumuさんのような若い年齢の方にとって、機械式腕時計を持つことにはどのような意味を見いだせるのでしょうか。
時計には、持ってみて、長年付き合ってみてこそ味わえる魅力があると思っています。
それは、実用的な機能がたくさん搭載されているという点よりも、自分で選び、生活を共にする中で特別なストーリーが生まれるという点にあります。たとえば、もし子供ができたら時計を子供に譲ったりすることで、親子の間で楽しむこともできます。そういったストーリーこそが、機械式腕時計特有の魅力だと考えています。
周りのロレックスユーザーは比較的40代の方が多く、自分のような若い人は少ないものの、若い人にもこうした魅力を体感してほしいです。
ヨットマスター(Ref.126622)
モノへのこだわりが薄く、合理性やコストパフォーマンスを求めがちな若い世代にとって、高級機械式腕時計は一見すると縁遠いものに見えてしまうかもしれない。しかし、今回のコレクターのように、若くして自分にとってのロレックスの価値を見出している人も少なくないだろう。本稿を読んだ若い読者が、コレクターとしての一歩を踏み出す一助になれば幸いだ。