ロレックスに求めるものは十人十色。ロレックスの時計としての機能、ステータス性、あるいは資産価値など、本当に様々だ。中には、精神面やお金に換算できない価値をロレックスがもたらしてくれるという人もいる。今回は、最初からゲン担ぎという精神的な面からロレックスに憧れ、実際に手に入れてみると、さらに想像以上に多くの価値をロレックスが与えてくれたことに気がついたというコレクターに話を聞いた。
取材協力:時計好き侍さん
文:koni
写真提供:時計好き侍さん
――ロレックスを購入したきっかけを教えてください。
尊敬する同業の先輩が、30代半ばに購入したロレックスのデイトナを長年大事にしていたんです。私も30代半ばになって、ゲンを担ぐ意味で自分も所有したいと思いました。
尊敬する先輩のデイトナ(Ref. 6263)(右)との1枚(Ref. 116500LN)
――すぐにデイトナを購入できたんですか?
いいえ、当時はロレックスどころか機械時計についてすら何も知らなかったんです。初めてロレックスの正規店にいって、そこでデイトナが手に入りにくいことを知りました。そのときに出会った店員さんが凄くいい人で、デイトナにこだわらず何かロレックスを買ってみようと思い、裏から出してもらったヨットマスターをその場で購入しました。
そこからいろいろ調べて、機械式時計自体に興味を持つようになりました。
――最初の1本はヨットマスターだったんですね。
はい。デイトナを買ったのは、ヨットマスターを買った5か月後でした。デイトナを買うために3日連続でお店に通い、その最終日に購入できました。まず買えると思っていなかったので、嬉しかったですね(笑)
――念願のデイトナを購入して、仕事に変化はありましたか?
デイトナは尊敬する先輩が大事にしているモデルということで、とても思い入れがあったので、デイトナを購入して仕事への決意が一層固まりました。私にとって本当に特別な1本です。
また、私自身も嗜好品を扱う仕事をしているのですが、自分が客として高級嗜好品を買ったことで、お客様の気持ちが以前よりもっとわかるようになりました。そこからやはり、仕事はいい方向に向かっていると思いますね。
あと、最初にお店に行ったとき機械式時計の面白さや向き合い方を一から教えてくれた店員さんとの出会いは、とても大きかったです。あの人が接客してくれなかったら、自分は機械式時計にはまってなかったでしょう。あの方の接客の姿勢は、とても良い見本になっています。
――ゲン担ぎの効果は絶大ですね。
はい(笑)
それから、ロレックスの購入がきっかけとなり、人とのかかわりも豊かになりました。時計の趣味を通じて一生の友人ができたんです。先日、「Watch Lovers」でインタビューが載ったイササカ先生もその一人です。彼とは同級生ということもあってとても仲が良く、定期的にオフ会をしています。
また、娘も時計に興味を持ち始めて、私の時計を身に着けたり、子供用の時計を欲しがったりします。将来が楽しみです。
――なるほど。そんなロレックス独自の魅力は何だと思いますか。
1つは、時計に興味がない人でもわかるとても有名なブランドである点です。ロレックスを人に褒めてもらう、評価してもらう機会は特段に多いと感じます。他人から見てぱっとわかるからこそ、この時計にふさわしい人であるように努めなければと思えますね。
もう1つは、ただの芸術品ではなく、実用性を追求している点です。傷つきにくいし、水に強いし、めったなことでは壊れません。雑に扱ってもいいので、私は普段使いで愛用しています。娘と遊んでも安心です(笑)
これからも長い時間身に着けて過ごし、たくさんの思い出を刻んでいきたいです。
ヨットマスター(Ref. 116622)とご息女と奥様の3ショット
特別な一本との出会いは、単に良い時計との出会いにとどまらない。一生の友となる同好の士との出会いであったり、あるいは自身の仕事でも見本となるような洗練された一流の店員との出会いもまた、ロレックスが呼び込んでくれる貴重な出会いだ。それは長い年月にわたって時を刻み続けるロレックスとともに、生涯にわたって価値のあり続ける出会いとなることだろう。