ロレックスの各モデルには、それぞれのコンセプトがある。コンセプトに合わせた多種多様なデザインや、機能、細部へのこだわりが詰まっているところもまた、ロレックスの醍醐味である。
今回は、自分自身の個性になるような時計を求めてロレックスのあるモデルに出会ったコレクターが、その時計のコンセプトを知ってみるみるうちに時計自身の個性に惹かれていったエピソードを聞いた。
取材協力:EICHI@趣味垢♛さん (https://twitter.com/EICHI49)
文:kaorin 画像提供:EICHI@趣味垢♛さん |
ーー仕事の大きなプロジェクトが終わった記念にロレックスを購入されたそうですね。なぜロレックスの時計を買おうと思ったのですか?
もともと腕時計は好きで数本持っていました。
このときも、せっかくだからご褒美に少し値の張るものが欲しいと考えて、そういえば腕時計いいなと思ったのです。
ーー時計のなかでも、ロレックスを選んだのはなぜですか?
オメガを2本とオリエントスターも1本持っていて、もっといい時計と考えたとき、真っ先に思いついたのがロレックスだったのです。
父がデイトジャスト(Ref.16233)を持っていて、昔からロレックスいいなと思っていたこともあり、これを機にと思い立ちました。
お父上のデイトジャスト(Ref.16233)
ーーでは、実際に購入したのはロレックスのどのモデルですか?
スカイドゥエラー(Ref. 326933)です。
ロレックスについての知識は全くなかったのですが、サブマリーナやGMTマスターはすごく人気で、周りの人も所持している印象がありました。
ですが、私は何か人と違うものが欲しいと思い、このスカイドゥエラーを選びました。
スカイドゥエラーは青の方が人気だということも、後から知りました。
白と金の組み合わせが、華やかかつ上品なスカイドゥエラー(Ref. 326933)
ーー人と違うモデル、というのが選ぶときの基準にあるのですね。
サブマリーナや人気モデルにもいいところがあります。
でも、自分がつけるなら「ロレックスにそんなモデルがあるんだ、知らなかった!」と言われるモデルにしたいと思っています。
ちょっとハイセンスに見える気がします。
ーースカイドゥエラー (Ref. 326933)もその基準に適っていたわけですね。
はい。
周りにもサブマリーナやGMTマスター、デイトジャストやエクスプローラー1は、持っている方が多く、見る機会も多いです。芸能人にも多いですよね。
その点、このスカイドゥエラーはいろいろなお店を見て回っても、あまり見かけませんでした。
他のハイブランドの時計にも見られないデザインという点にも惹かれましたね。
ーースカイドゥエラーを購入されてからロレックスにハマったのは、どのような経緯ですか?
スカイドゥエラーを購入した後に、それにはどんな機能があってどんな背景があるのかが気になって調べました。
すると、私が購入したモデルは2017年に発売されたモデルで、今までのロレックスになかったコンプリケーションだということがわかりました。
それならば他のサブマリーナやシードゥエラーはどんなモデルなのかを調べたのです。
すると、全てにコンセプトや背景があって、例えばデイトナならレーシング向けの時計だということを知りました。
一つ一つのモデルにはっきりとした個性があることに魅力を感じて、どんどんハマっていきました。
ーーお持ちのスカイドゥエラーは旅行者に向けた時計ですよね。購入時にはご存じなかったとのことですが、今はどう感じますか?
もともと旅行が好きなのですが、子供が小さいこともあってなかなか行けません。
でもこの時計を買ってコンセプトを知り、この時計をいろんなところに連れて行ってあげたいと思うようになりました。
電車でも車でも、いろんなところへ連れていきたいスカイドゥエラー
ーーたとえば、どこに連れていってあげたいですか?
行ったことないので、まずは北海道か沖縄です。北の端か南の端ですね(笑)
ーースカイという名前ですし、やはり飛行機に乗せてあげたいですよね! お父上がデイトジャストを持っていたこともロレックスを購入するきっかけの一つということですが、お父上も時計がお好きなのですか?
父は腕時計が好きというよりも、「男なら一本いい時計を持っておこう」という感じでした。私も、20年前に「ロレックスを買った」と見せられたときには、高いものだということぐらいしかわかりませんでした。
それから年を重ねて父とお酒を飲みながら話したときに聞いたのですが、父は息子に何か形見の一つでも残してあげたいという気持ちがあって、それで購入したのがロレックスの時計だったそうです。
すごく大事にしていて、先日見せてもらったときもすごく状態が良くてきれいでした。
ーーお父上とお酒を飲むときも時計のお話になるのですね。
私の方が時計について話すので、父がそれに相槌を打って聞いています。
自分の時計を見せることもあるのですが、やっぱりロレックスはいいなあ、といってくれますね。
好きなお酒と好きな時計で過ごす週末
ーー子供のときの「お父さん見て!聞いて!」という感覚に似ていますね。ご自身もお子さんに受け継がれるおつもりですか?
そうですね。
ロレックスは上手に付き合っていけば一生ものだと思います。
子供は男の子が二人ですので、いつか時計に目覚めてくれたら、残してあげたいです。
ーーでは、少なくとも2本必要なわけですね! 次に欲しいモデルは決まっていらっしゃいますか?
ミルガウスです。
ミルガウスもつけている方が比較的少ないモデルですし、ぱっと見ではロレックスだとあまり気づかれないモデルだと思います。
何より、妻にデイトナ、エクスプローラー1とミルガウスを見せて「どれがいい?」と冗談交じりに聞いたら、迷わずミルガウスを選んだことが決定打です。
すごく個性的で、グリーンサファイヤガラス、稲妻の秒針といった細部へのこだわりが好きです。
ーーお子さんには時計の英才教育をしているのですか?
はい。
まずは腕時計をつけるところから覚えさせようと思って安いのを買ってみたのですが、やはりすぐ飽きてしまいます(笑)
5才と2才なので、まだまだですね。
ーーいつかご自身のように父子で語れるようになるといいですね。時計は日常でも着けているのですか?
はい。
時計に合わせて生活が変わったように感じます。まさに時計ファーストです。
休みの日もどちらかというとあまり外に出ないタイプでしたが、今はなんとなく時計を着けて出かけたくて、無駄に散歩をしてみたりします(笑)
外に出て、きれいな桜を見つけた時の一枚
ーーロレックスを持つようになって、心持ちの面では何か変化はありましたか?
20代のときからロレックスが欲しいとは思っていましたが、そのときは自分がロレックスを着けているイメージがわかなくて、手を出せませんでした。
36歳になって実際に持ってみると、やっと自分がそのイメージに追いついたのかなと感じます。
自分が大人になったというか落ち着いて、20代の自分が見ていた“ロレックスが似合う人”に少しずつ近づいているのかな、と思いますね。
「世界を旅する旅行者のためのウォッチ」というコンセプトを持ったスカイドゥエラー。
EICHIさんはこの時計を着けて出かけたくなる、いろんなところに連れていきたいという。よい時計を持ち、そのコンセプトに共感することは、人生の新たな楽しみを広げてくれる。この時計は持ち主をどこまでも、どこへでも連れ出すのだろう。