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持っているからにはバリバリ使い倒すというコレクションスタイル

 

ロレックスをはじめとする高級腕時計。気を遣って大切に扱い、愛でて楽しむというコレクターも多い中で、もちろん実用志向のコレクターも一定数以上に存在する。今回は、そんな実用志向のコレクターの中でも、持っているものはすべて使い倒したいという筋金入りの実用派コレクターに話を聞いた。

 

取材協力:hiko8852さん(https://www.instagram.com/hiko8852/

文:nagi

画像提供:hiko8852さん

 

ーー時計集めに興味が湧いたのはいつからですか?

 

時計自体は、幼い頃から父親の真似をしてずっと着けていたのですが、成人式の時にきちんとした時計を買ってもらい、その時計を社会人になってからも使い続けていました。

ところが、あるとき転んで時計を壊してしまったんです。それが30代半ばのころだったのですが、そのころ仕事関係でお付き合いをしている一流の方々は、皆良い腕時計をしていました。それでは自分も背広に合う1本をと購入してみたところ、それがきっかけになって次々と時計を買い集めるようになりました。

 

ーー時計を集めていく中で、ロレックスにたどり着いたきっかけはなんだったのでしょうか?

 

最初は国産の電波時計を集めていたのですが、ある時とても状態の良いGMTマスターⅡを見つけました。それがちょうど40歳を迎える直前で、40になるからにはこのようなしっかりした時計を持ちたいと思って購入しました。

装着した腕時計

GMT masterⅡ(ref.116710ln)

 

ーー腕時計を選ぶ際に気をつけていることはありますか?

 

丈夫であるのは前提として、自分の雰囲気と合うか、腕時計の表情がきちんと伺えるかどうかを重視しています。その時々のファッションやシチュエーションに合わせて腕時計を着けたいので、そういった場面場面に合わせられる個性があるかどうかですね。

 

ーーどのモデルをどのようなときに合わせるのですか?

 

会社に行く時にはGMTマスターⅡを着けます。仕事中にこれを見ると、まだまだ頑張るぞと、自分を奮い立たせられるんです。エレガントな場ではデイトジャスト。都内へのお出かけや先輩と合う場合、上司や取締役の面談等の重要な場面では控えめなランゲのサクソニアを着けます。友達とアウトドアをする時なんかは、IWCを着けます。

髪を結んで白いズボンを履いている人

休日にA.LANGE&SÖHNE サクソニア (ref.219.026)を着けるhiko8852さん。

テントの中で腕時計をかざす姿

アウトドアにはIWC MarkXV (ref.IW325307)を着けていく。

 

ーーアウトドアですか。結構いろんなシーンで使っているのですね。そんな時計に、機能面でのこだわりはありますか?

 

機能面でのこだわりというと、欲しい機能へのこだわりを挙げる方が多いと思うのですが、私は逆で、クロノグラフなど、使わない機能があるものは選ばないようにしています。コレクションといっても、単に集めるのが目的ではなく実用目的で買っているので、持っているものは全部遠慮なく100%使い倒したいんです。さすがにランゲは気を遣いますが(笑)

 

ーーとことん実用志向なわけですね。では、どれも使い込んでいらっしゃるのでしょうか?

 

はい。基本的には持っているものは全部使い倒したいですし、逆にいうと、着けるものしか持たないようにしてるんです。ただ、自分のライフステージにおいて、苦しかった時に買ったものだけは、着けなくなってもなかなか手放せず、思い出としてとっておいてしまいますね。

 

持っているものは使い倒す。使わない機能はいらない。当然といえば当然のことのようにも聞こえるが、こと高級時計に関して、ここまで割り切って断言できる人は多くないのではないか。もちろん、ロレックスをはじめとした高級時計の高い耐久性が前提にはなるが、使い込めば使い込むほど愛着が増してくるのは想像に難くない。これもまた、正しいコレクターのあり方といえるだろう。