誰でも一度は、何かを集めることに熱中した経験があるのではないだろうか? 切手、服、あるいは好きなキャラクターのグッズという人もいるかもしれない。そして好きなものを集めているうち、どんなに些細なデザインや表情の違いでも見逃したくなくなる。そんな情熱を、余すことなく時計に注ぎ込んでいるdgsmaniaさんにお話を聞いた。
取材協力:dgsmaniaさん (https://www.instagram.com/dgsmania/)
文:kaorin 画像提供:dgsmaniaさん |
――dsgmaniaさんは、いつごろから時計に思い入れを抱くようになったのですか?
もともと服が好きで、ファッションに興味がありました。でも、機能のないおしゃれがあまり好きではなかったので、アクセサリーとかはつけていなかったんです。
その点、時計だったら時間も見られるしおしゃれでいいなと思って、高校生のときから時計をつけていました。
そのときは父が譲ってくれた時計をしていたのですが、いつかはロレックスが欲しいと思っていました。そのころの私は、一番の高級時計といえばロレックスだと思っていたからです。
――では、高校生時代から憧れていたロレックス、時を経て最初の一本を購入されたのはいつですか?
30歳のとき、記念に一本欲しいなと思って探し始めました。
デイトナが欲しくて、3か月に1回くらいのペースでお店に行っていました。
それでもやはりデイトナはなかなかないので、次に欲しかったサブマリーナを探して週1回くらいお店に通うようになりました。
そして半年後に、やっと1本目のサブマリーナを買うことができました。
――それから時計にハマっていったのですね。
はい。サブマリーナを買って、火が付いてしまったんです。探していた時計を手に入れたときの喜びがやめられなくなってしまって、次も次もと、どんどん増えていきました。
dgsmaniaさんのコレクションの一部
愛すべき時計がぎっしりつまった宝箱
――デイトナにもすぐに出会えたのですか?
いえ、やはりデイトナは時間がかかりました。探し始めて1年たったころ、ようやく購入することができました。サブマリーナから数えて7本目の時計になりました。
――1年で7本も購入されたのですね。ちなみに、コレクションを拝見したところ、同じモデルを何本か購入されていますよね?
はい。デイトナと、オーデマ・ピゲのロイヤルオークは何本か持っています。
デイトナは、あったら買いますね。時計店の方に欲しい時計は伝えていて、案内があれば買うようにしています。
あとは、同じモデルでも年によってデザインが少し違うこともあるんです。シードゥエラーなどもクラウンマークの違いなどがありますよね。
そのような、ちょっとした違いでも欲しくなってしまうんです。
お気に入りはデイトナの白(Ref.116500LN)
――使い分けはされるのですか?
日常ではデイトナの白(Ref.116500LN)とパテック・フィリップのノーチラスを使っています。デイトナは決まった1本を使っていて、それ以外は観賞用です。自分の部屋で時計コレクションをつくっていこうかなと思っているのです。
日常使いはこのコンビ
――では、次に欲しい時計は何ですか?
ロレックスなら、スカイドゥエラーの青、デイトナのアイスブルー、オイスターフレックスのラバーベルトなどですね。挙げだしたら止まりませんが(笑)
特にデイトナのトップはアイスブルーですので、いつかは欲しいです。
――時計コレクションへの熱を感じますね。同じように時計が好きな方々とのオフ会、“時計会”にも参加されるそうですね。
InstagramやTwitterで自分の持っている時計を投稿していると、同じ時計好きのフォロワーさんから食事会などに誘っていただくことがあります。
そこで情報交換ができたり、珍しい時計にお目にかかったりすることができるんです。お互いが持っているモデルをどうやって買ったのかといった話もします。オタクの集まりなので、食事はほぼそっちのけで時計を見て話しています(笑)
職場で高級時計の話をすることもないですし、身内で時計の話ができる人もいないので、時計好き同士で集まれば話が尽きません。
あとは、人脈作りの場にもなるので、ビジネスの話をすることもありますね。
時計会に集まったオタク、イチ推しの時計
――“時計巡り”もよくされているとか。
地元でもそうですが、東京に行くときなんかも、ウォッチメゾンやデパートに入っている店舗に行くようにしています。
いろんなブランドのお店で店員さんと話をして、ブランドごとの特徴などを聞けるので勉強になります。
――ご旅行先でも時計巡りはされるのですか?
そうですね。デイトナなどの希少な時計は一見さんにはなかなか売ってくれないとは思うのですが、お店を見つけたらついでに観光するような感覚で入ります。こんなお店でこういう内装なんだな、という感じで見ています。
――これまでに行ったロレックスの販売店でもっとも印象深い店舗はどこでしたか?
世界一のロレックスショップといわれているドバイの店舗です。
ショッピングモールの中にある大きめの店舗で、見た目は普通なのですが、デイトナやGMTマスターが非売品として見本になっていたのです。日本でも最近はショーケースに入った見本がありますが、ドバイでは2年近くも前にそのような展示があったことが印象的でした。
――いつでもどこでも時計への関心は途切れないのですね。これだけ生活の一部になっている時計集めに、終わりはあるのでしょうか?
正直なところ、まったく止まる気配がありません(笑)
デイトナを買って一時は満足したのですが、やはり欲しい時計は尽きません。
これは完璧に時計の沼にハマってしまいましたね。
dgsmaniaさんは自身の時計集めを“マラソンしている”という。欲しい時計を手に入れては、次なる時計へと引き寄せられ、同じく時計に惹きつけられた人たちとつながる。どこまでも飽きがこないばかりか、次々に新しい出会いもあるこのマラソンに、もはやゴールなんていらないのかもしれない。