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親子の絆を繋いでくれたミルガウス。時を超えて自分の子にも受け継いでいきたい

 

どんなものにも、それにハマるきっかけがある。特にロレックスにおいては、それは不思議と物語を感じさせるエピソードであることが多い。今回インタビューを行ったコレクターの場合は、父親の存在こそがまさにきっかけと呼ぶべきものだった。父と子を結ぶ、新たな糸となったロレックス。その物語を詳しく語っていただいた。

 

――時計に興味を持ち始めたきっかけを教えてください。

 父がもともと時計好きだったんです。その流れで時計に自然と興味を持つようになりました。それから、いい時計を手に入れることで、父に追いつきたい、父を超えたいというような気持ちも心のどこかにあったと思います(笑)。

 

――なるほど、それはある意味原初的な動機ですね。その第一歩として、最初に手に入れた時計はなんだったのですか?

社会人になって初めて購入したIWCですね。手に入れたときは、胸がすっとするような思いがしました。

 

――時計の使い分けはされていますか?

 はい、しています。時計を付け替えることで、気持ちもそれに合わせて切り替わります。気分を変えることができるのも、たくさん時計を持つ醍醐味ですね。それに持っている時計を満遍なく可愛がってあげたい、という気持ちもあります。

 仕事のときは、IWCやロレックスのミルガウス(Ref.116400GV)をよく着けます。グラスヒュッテオリジナルは冠婚葬祭用ですね。デイトナ(Ref.116500LN)をオフの日に着用していて、GMTマスターⅡ(Ref.116710LN)については、実は今のところは家で着けて楽しんでいます。海外に行けていないのですが、海外に行った際にGMTを使いたいという気持ちがあるので、それを楽しみに外出時に着けるのは控えています(笑)。

 

画像:インタビュー者ご提供。ミルガウス Ref.116400GV
画像:インタビュー者ご提供。デイトナ Ref.116500LN
画像:インタビュー者ご提供。GMTマスターⅡ Ref.116710LN

 

――ロレックスを特に豊富にお持ちなのですね。ロレックスにはどんな経緯でハマったのですか?

 実は、その時計好きの父と私は、たまたま手首周りのサイズがほとんど同じだったんです。それで、内心で一本のモデルを父と共有できたらいいな、という思いをずっと持っていました。そこである時思い切って父に話してみて、一緒に時計を購入することになったんです。

 

――それは素敵ですね。

はい。それで、実際に買おうということで、オーデマピゲのロイヤルオークや、ブレゲのクラシックモデルや、カルティエのCPCPのモデルなど、いくつかの時計が候補として挙がったのですが、どれも今ひとつぴんとこなかったんです。

 そんな時に、ミルガウス(Ref.116400GV)が発表されました。これはと思って、何度か渋谷の正規代理店に声をかけたところ、3度目にしてバックヤードからミルガウスが出てきました。出会えたその時の喜びは大きかったですね。仕事中の父につい電話をかけてしまいました。それから父と二人でお金を出し合って、そのミルガウスを購入しました。私とロレックスの始まりはそこですね。

 

――息子さんと腕時計を共有するというのは、お父様も喜ばれたのではないですか?

 父は、もともと口数の多い方ではなく、テレビが好きで家ではずっとテレビを見ているような人だったんです。加えて仕事が忙しかったこともあり、私は子どものころに父とたくさん話した記憶がほとんどありません。。しかし、二人でミルガウスを共有し始めてから、時計についての話を父とよくするようになりました。

 時計好きだった父よりもいい時計を買って父を超えたという感覚を持ったり、父と共有できる時間が嬉しかったりと、時計は父との新たな「繋がり」のようだと感じます。

画像:インタビュー者ご提供。ミルガウス Ref.116400GV

 

――文字通り、親子の絆をロレックスが繋いでくれたということですね。

 そうですね。時計を父と私で交代交代で着けているので、実家に帰る頻度も増えました。父も、「時計を交換したいんだけど、次はいつ帰ってくるんだ?」「次はどんなモデルを買うの?」などと話しかけてくれるようになりました。家族でショッピングに行った時も、二人で時計コーナーに行っては時計の話をするようになりましたね。そういう意味では、親孝行になっているのかなとも思います(笑)。

 

――とても素晴らしいですね。ご自身でもまた、お子さんと時計を共有したいという思いはありますか?

 はい。私が元々テニスをやっていて、妻の方はバスケットボールだったんですが、息子は妻のやっていたバスケを始めてしまいまして。息子のスポーツは妻の方に取られてしまったので、趣味は僕の時計をと思い、時計の英才教育をしています(笑)。ちょっと渋いんですが、シチズンのダイバーズウォッチを自分で息子の腕に合うように加工して、幼稚園生の頃から着けさせていました(笑)。

 

――それは相当な英才教育ですね。成果はあらわれていますか?

今、息子は小学校三年生なのですが、時計メーカーの名前は徐々に覚えてきていますね。将来的には、息子に自分の時計を譲ってあげたいなと思っているので、IWCやミルガウスは譲りたいと思っています。それから、私が父としたように、一緒に腕時計を購入して共有するというのもやってみたいです。祖父、私、息子と三世代通じて購入できたら最高ですね。

 

時計という新しいつながりで、父と息子の関係はより深まっていった。父と一緒にスタートした時計への愛は、きっとその息子さんにも受け継がれていくことだろう。親子三代で一つのモデルを大切に使用する、温かな家庭の姿が眼に浮かぶ。時計、そしてロレックスには、どんな世代の人をも魅了する力があるに違いない。

 

画像:インタビュー者ご提供。